のよすが掌編『告別式』

■おはなしについて
 ゴースト『のよすが』の共作者であるユスラさんの書かれた小説です。
 作品内での時系列は、近日公開予定のイベントであるのよすが最終章・シーン6『わたしと、影と、おひさまの物語』の直前。
 アリチェのごく個人的なお別れの話であり、そして“あなた”につながるひとつの決断の話です。

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のよすが最終章『わたしたちに、なにができるだろう』(blog side)

「――で、よっこ、古本屋の店主さんとのお話はどうなったの?
 もうお店のけんりしょとかもらえた?」
「それはもらえないです……
 ええとさ。前にアリチェと“あの人”が二人っきりになってた時、あったよね。
 私はその時、店長とお話してたの」
「なんて?」
「権利書をもらうのは……うーん、人生がかかるようなお金が動くんだし、さすがに無理だよね。
 だから私は言ったの。私はただこのお店に、そのままでいてほしいだけなんですって。
 店長がお年のせいで辛いなら、店長がオーナーになって、わたしは雇われ店長とか……
 いや、私の扱いはなんだっていいの。
 とにかく仕事の配分をスライドさせたらどうでしょうか、って……」

「よっこ、そこまで考えてたんだね。
 ……でもなんか顔色がよくないのは、お話をことわられたから?」
「断られては、いないけど……
 ……むずかしいことを返された」
「ふえ?」
「あのね、店長とわたしが話したことはね――」
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小説のよすが・第三話『藤井真理奈には何もない』

私はその夜、アリチェに伝えたいことのすべてを言えなかった。
それなのに、言うべきでないことを言ってしまった。
言えなかった。言ってしまった。
言えなかった。言ってしまった。
言えなかった。言ってしまった。
言えなかった。言ってしまった――――――
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小説のよすが『ころされてあげるから』

 ゴースト『のよすが』をベースにオリジナルの展開を交えて執筆した、小説版のよすがと言える作品です。
 小説単独でも、ゴーストと併読しても楽しめるように書いています。
 ただ小説にはゴーストのネタバレが含まれるため、そちらのストーリーを純粋に楽しみたい場合は、第二部完了までゴーストを進めてから読むことを推奨いたします。

 第一話『みっつのごほうび』
 第二話『日記の価値、嘘の価値』
 第三話『藤井真理奈には何もない』
 第四話『ころされてあげたい、と嘘をつく』
 第五話『混沌の中に歩いていく』
 最終話『えんぴつがほしい。』
 エピローグ

 完結にあたって

小説のよすが・第一話『みっつのごほうび』

のよすが小説版
タイトル『ころされてあげるから』

 これは、おんなのこがきちがいになるおはなし。
 このお話は、最初はアリチェに捧げる言葉として始まった。
 けれど最後には、あなたのためのお話になる。

 そう。このお話は、最後には“あなた”のための祈りになる。
 その頃には、私はすっかりおかしくなっているけれど。

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