部屋の中。
ずっと前から、苺々は桃歌に謝罪をしていた。
カテゴリー: 小説/いつかまた
『いつかまた』第5話“cross over”
山に来て ひとよ
優しい焚き火の色が
ぼくを げんしじんにするのだ
ぼくはおれになりおれはもう
遠吠えして
肉の心は
地中の鉄の錆の色
まえは愛や恋だったにんげんの死体を
岩や
苔や
林や
雪や
山の時間の中に葬ってくる
火がとろりとあがり
火がちょろりとくるう
ふん だ
ふふん
幻想舞い
木々の梢がかぶさって
暗い夜空に
遠吠えが立ちあがる
焚き火を見つめ
自分のけものをけものが見つめ
ぼくはぼくを見つめ
もうぼくの中にあなたはいないよ
ひとよ
ひとよ
けものになってゆくぼくをとめてよ
――岩村賢治『深山幻想』
『いつかまた』第4話(後編/修正版)“eclipse”
人間の社会には、個人の記憶を知識として共有する役割がある。
人が忘れてしまった記憶も、たいていは別の誰かが同じ事を覚えているものだ。
では猫が忘れた記憶は、誰が覚えているのだろう?
『いつかまた』第4話(前編)“suicide”
月夜は夢を見ていた。
それはもう通り過ぎてしまった時間、大昔の誰かの夢だ。
『いつかまた』挿話“ひたいねこ”
おれはもうすぐ死ぬだろう。
その前に、おまえに伝えておきたい事がある。
『いつかまた』第3話“life game:player”
それは、ひどくさびしい風景だった。
視界に映る人間が、皆片端から死んでいる。
『いつかまた』第2話“my mew talk”
はじめに、あなたを守りたいと言われた。
『いつかまた』第1話後編“my mew pet”
月夜との出会いは、たった四時間前の事だった。
『いつかまた』第1話前編“cow juice”(性的描写あり)
crossover novel.