crossover novel.
”White Night Cat”
”Song Sweet Sweet Fruit”
『いつかまた/Hello Good bye』
舌は、どこにでも入り込む性器だ。
「ん……は……」
そんな事を肌身で感じながら、少女は女に身体を預けていた。
「やっ……そ、そこは……っ」
――苺々は人間ではないというのに、その恥じらいはありふれた少女のそれと変わらない。
「だって、指で触ったら痛いんでしょう?」
ちろちろと音がする。
人間ではありえない、頭頂付近に生えた苺々の耳に、女の舌が這っていた。
丸っこくてつるつるした、苺々が嫌いな自分の耳――
「やめ、っ! き、気持ち、悪い、ですっ……!」
台詞の単音ごとに耳から背筋へと電流が下っていって、声が跳ねるのを止められない。
耳の内側の黒い部分を丁寧に避け、たまに軽く軽く吸われる。
「ひゃっ!?」
なだらかな胸の頂点に手を添えられると、そこが硬く尖っている事が自分でも分かった。
「――ほんとに、気持ち悪いの?」
それなのに女は簡単に動作を止め、苺々の身体から唇を離してしまう。
「や……」
女に媚びるような声を向けてしまった自分を恥じ、苺々は目を伏せた。
――
平凡なビジネスホテルの一室には過ぎた美貌。夜の一文字とは真逆の、白い肌と髪の娘。
豊満な肢体とそれを支える長身、そしてこんな事の最中ですら動じない穏やかさを兼ね揃えているというのに、どこか幼い雰囲気も感じずにはいられないひと。
「嫌、なの?」
その瞳が透明すぎる。分かっていて焦らしているのか、本当に分からないのか、苺々には判別がつかない。
ただ奉仕されるばかりでは嫌だ。
自分を蕩かされてしまうのは怖い。
それでも。
「……意地悪、しないでください」
――抵抗する力を無化するのではなく、抵抗する心を溶かすのですらなく、単に抵抗するのが馬鹿らしくなってくるような。
何も考えずに身体を交えたくなったのは、どれほど久しぶりの事だろう?
「もっと、して。ね、ふたりで――ひんっ……」
そう言うと同時に、優しく耳にくちづけられた。
そして月夜の顔が降りてくれば、今度は苺々の方から唇を奪う。
「あ、んぅ……」
舌は、どこにでも入り込む性器だ。
「ん……ちゅっ、ぷぁっ、はぁっ……ふぁあっ、気持ち良い、よ……」
苺々は自分の舌を器用に動かして、月夜の熱い口中を味わっていく。
口を開くと共にいやらしく粘る涎が、月夜の唇から垂れ落ちた。
彼女が熱い息を漏らすごとに、ふるふると揺れる女の果実を、味わってみたくてたまらない。
「あっ? だ、だめだよ……んぅっ!」
苺々が胸に吸い付くと、はじめて月夜が興奮以外の感情をあらわにした。
「ん、ちゅ……胸が、恥ずかしいんですか? 大きくて柔らかくて、可愛いおっぱいなのに……」
少しだけ普段の調子を取り戻した苺々が弄うように囁く。
乳房の大きさに比せば小さな手で、根元から揉み込みながら乳首を吸った。
「や、そうじゃなくて――」
いつしか上になっているのは苺々の方だ。月夜の長身が困惑するように揺れると、安手のベッドがぎしぎし鳴る。
――あ、そうか。
月夜の表情が切なげになっていく中、苺々は拒絶の正体に気付く。
こんなにも絞ってしまってから、ようやく分かった。
――この
唇にほんのわずかついた白い液体を、ぺろりと舌を出して舐め取る。
味は良く分からない。今はまだ。
「あ……」
不安げな声を落とす月夜を見返した。
綺麗だ。
「いいですよ」
「…………え?」
微笑んで言う。
「出してください。あなたのを、飲んでみたいんです」
きっとそれは気紛れだ。
あるいは、はじめて月夜の事を可愛いと思っただけの、何でもない事だ。
そして彼女が力を抜いたのを見て取ると、わざと音を立てて吸い付いていく。
「ふぁ、あ――っ!!」
心臓に近い左の乳房は、片側よりもほんの少しだけ大きい。
そこの頂点に舌を絡める事から始め、勃起を確認すると共に赤子の挙動に移った。
「んっ……!」
口中に暖かな液体の感触が広がり、すぐに飲み下す。
粘らずに水のように溶けていく、しかしかすかに甘い味。
薄められた心臓のジュースを、苺々は美味しいと思った。
「き、気持ち良いっ、きもちいいようっ、もっとぉっ」
太股の付け根から蜜の香りを漂わせ、はしたなく甘い声をあげる月夜。
それに応えるように苺々は、やわやわと左の乳房に力を込めていく。
「ぷぁ……んっ、美味しい、ですよ……?」
こぼすのも勿体無い、とばかりにゆっくりと、時間をかけて味わっていく。
「あ……うん、う、嬉しいよ――くんっ!」
すぐそこの赤く尖った頂点すら美味しそうに思えて、甘く甘く噛みあでた。
「やぁっ、ん、ふぁあっ! もうっ、ひぅっ、だめぇ――!」
自らの髪を頬を熱い息でなぶられ、唇を母乳まみれにして、苺々は嫣然と頬を歪める。
「おっぱいでイくんですか? いいですよ、イっても……ほら、かぷ」
「―――ふぁああっ!!」
唇に心臓が跳ね打つ音が伝わる。一際高い声をあげて、月夜の身体から力が抜けた。
ぴゅっ、と明確な音と共に、白い飛沫が苺々の顔にかかる。
「……あは」
指で取って舐めても、今までのように美味しい。
はぁはぁと熱い息を漏らす彼女の唇に手を伸ばす。
「ねえ、月夜さ――きゃっ!」
苺々は油断していたのかもしれない。
今まで脱力していた筈の月夜の手は、小柄な少女の腕をあっさりと捕獲していた。
「――愉しいね、苺々」
はじめて名前で呼ばれた。それだけの行為に不意を突かれ、主導権を奪われる。
口元だけで微笑む月夜の
「ん……っ」
引きずりこまれていく最中で、抵抗は諦めた。
結局今の今まで焦らされていたようなものだ。月夜にもして貰わなければ、自分ひとりで始めてしまいかねない。
それでも