■おはなしについて
ゴースト『のよすが』の共作者であるユスラさんの書かれた小説です。
作品内での時系列は、近日公開予定のイベントであるのよすが最終章・シーン6『わたしと、影と、おひさまの物語』の直前。
アリチェのごく個人的なお別れの話であり、そして“あなた”につながるひとつの決断の話です。
カテゴリー: 小説/のよすが
のよすが最終章『わたしたちに、なにができるだろう』(blog side)
「――で、よっこ、古本屋の店主さんとのお話はどうなったの?
もうお店のけんりしょとかもらえた?」
「それはもらえないです……
ええとさ。前にアリチェと“あの人”が二人っきりになってた時、あったよね。
私はその時、店長とお話してたの」
「なんて?」
「権利書をもらうのは……うーん、人生がかかるようなお金が動くんだし、さすがに無理だよね。
だから私は言ったの。私はただこのお店に、そのままでいてほしいだけなんですって。
店長がお年のせいで辛いなら、店長がオーナーになって、わたしは雇われ店長とか……
いや、私の扱いはなんだっていいの。
とにかく仕事の配分をスライドさせたらどうでしょうか、って……」
「よっこ、そこまで考えてたんだね。
……でもなんか顔色がよくないのは、お話をことわられたから?」
「断られては、いないけど……
……むずかしいことを返された」
「ふえ?」
「あのね、店長とわたしが話したことはね――」
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小説のよすが エピローグ
――そして、これが、本当の“いま”。
今、よすがはひとりだった。
小説のよすが・最終話『えんぴつがほしい。』
「よっこ、なんか企んでるでしょ?」
再訪したアリチェは、よすがの様子がただ事ではないとひと目で気付いたのだろう。
彼女の表情は、今では懐かしい、“いつもの”笑顔に近かった。
けれどそこには、有無を言わせない響きが込められている。
小説のよすが・第五話『混沌の中に歩いていく』
――悲しくて、さびしい夢を見ていた。
そして今でも、その夢から抜けられた気がしない。
小説のよすが・第四話『ころされてあげたい、と嘘をつく』
■■■■■マリナはきっと、今でもあのレストランで料理人を続けているのだろう。
けれど、私たちがマリナと会うことは、二度となかった。■■■■■
小説のよすが・第三話『藤井真理奈には何もない』
私はその夜、アリチェに伝えたいことのすべてを言えなかった。
それなのに、言うべきでないことを言ってしまった。
言えなかった。言ってしまった。
言えなかった。言ってしまった。
言えなかった。言ってしまった。
言えなかった。言ってしまった――――――
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小説のよすが『ころされてあげるから』
ゴースト『のよすが』をベースにオリジナルの展開を交えて執筆した、小説版のよすがと言える作品です。
小説単独でも、ゴーストと併読しても楽しめるように書いています。
ただ小説にはゴーストのネタバレが含まれるため、そちらのストーリーを純粋に楽しみたい場合は、第二部完了までゴーストを進めてから読むことを推奨いたします。
第一話『みっつのごほうび』
第二話『日記の価値、嘘の価値』
第三話『藤井真理奈には何もない』
第四話『ころされてあげたい、と嘘をつく』
第五話『混沌の中に歩いていく』
最終話『えんぴつがほしい。』
エピローグ
小説のよすが・第二話『日記の価値、嘘の価値』
私――西東よすがと友達のアリチェ、そしてつい数日前に知り合った大人の女性であるところのマリナ。
その三人で遊びに行ったのは、アリチェからの電話を受けた翌日のことだった。
小説のよすが・第一話『みっつのごほうび』
のよすが小説版
タイトル『ころされてあげるから』
これは、おんなのこがきちがいになるおはなし。
このお話は、最初はアリチェに捧げる言葉として始まった。
けれど最後には、あなたのためのお話になる。
そう。このお話は、最後には“あなた”のための祈りになる。
その頃には、私はすっかりおかしくなっているけれど。