「ヴィイです。今回は、みんな……
みんな……というか、二人か。えっと、とにかく、ありがとう。
おかげでわたしたち、人気投票への出場資格を得られたみたい。
……今回はさ。混じりけなしで、一番可愛い子が誰かを決めるんでしょ?
128人が来ても、残るのはひとりだけ。
わたし、そんな投票のどこまで、残る資格があるのかな?
――ちょっと、愚痴るね。
わたし、ヘンな子だよ。知ってるでしょ?
話は長いし、わかりづらいし、何かというとあなたはどう思う? って聞くし、他にもあなたの負担になるような事を平気で言うし、ふだんは冷静ぶってるくせにすぐ興奮するし……
……なんとかしたいよ。でもそれって、全部私自身の心と結びついてる事だよね。
なんとかしたい屈託とか、それなのにあなたに何かをしてほしい私情とか……そういう結びつきの中の落差を、心って言うんだよね。
そんな私の心がかわいいかどうかなんて、考えるのも無理だよ。
でもね。
そんな私のことも、どうしてかわからないけど、かわいいって言ってくれる人がいるみたい。
ありがとう。
うれしいよ。
わたしには、自分のことがわからない。
私のことは、あなたが決めて。……私はそれを、今は見つめることができるから」
* * *
「あらあらヴィイってば、長くしゃべってどきどきしてる?
あ、ボクもヴィイにくっついてトーナメントに出場できますのー。みんな、ありがとー!
これで少なくともボクが128位になれる事は確定したから、もはやボクが1位と言ってもかごんではない!
でもかわいいーとか萌えーとか、ボクにはよくわかんない。ウサギって萌える?
むねきゅん?
たぶんこの世のものはみんなが可愛いよね。死体はかわいい、ペンギンすてき、マッチは燃える……
ボク、萌えるかな。
気持ち悪いって言われた事はあるよ。うれしかった。
でも、萌えるよーって言われた時のうれしさは、それとはなんか違うかも……
よくわかんない。ヴィイはほめられると凄いよろこぶから、ヴィイは萌えるよーって言ってあげればいいのかな?
それじゃ、最初のヴィイによろしくね。
最後のヴィイのためにもね。」
* * *
「あ、一応私もいますよ?
最近ヴィイがかまってくれなくて寂しいんですよ?
だから私、最近は計画を立ててます。
ヴィイたちに“次”があるのなら、その“次”は私の出番になるかもしれません。
私の名前はキョウコです。この名前の由来を、次は教えられるかもしれませんね」
* * *
「にゃあ。
――あらあら、ねこの神殿にも、他の世界への扉ができてしまいました。
この扉を通れば、お祭りに行けるのだそうです。たくさんの神様がつどうお祭りです、楽しみです!
ねこがここに来られるのも神様のおかげなんですねえ。えへへ、ありがとうございます。
それでこれは、国一番の美人を決めるような催しとか……あら、男の人もいますね。
でも、かわいさが重要なのですね?
難しいです……ねこは娼婦なのですが、かわいい言葉は言えませんし、顔も白くてふにふにしてるだけですし。
なにもえっちな事をせずに、どうすればかわいい事をできるのでしょうか?
ああ。……でも、楽しそうなお祭りですね。
きっとねこがわらっていれば、みんなもわらってくれます。
ねこをわらってくれるのなら、それはすごくいいことです。
……きっとねこは、すぐに負け抜けになってしまいそう。
でも、どうかお笑いくださいね。
みんなで明るく過ごせるのなら、それが一番いいのです。
お祭りの間にふたりきりで、物陰でキスができるのは秘密です」
* * *
「……にゃ、にゃあ。
あ、諦女です。この度は、その……
あのう、なにかの間違いということはないのでしょうか?
どうしてわたしなんかが、あんなに綺麗な方々が集う場所に……
も、申し訳ありません。わざわざ投票していただいた方に失礼ですよね。
――ほ、本当にありがとうございます。
どう言えばいいのか、よくわからないのですけれど、とても嬉しいです。
ええと、会場にはこの服より、別の服を着て行った方がいいのでしょうか?
胸が見えている服を着て外に出るのは、まずい時もあるのですよね?
……あの。諦女は、どうすればいいのでしょうか?
わたしを、選んでいただいたのですよね。それは、本当に嬉しいです。
でもそれなのに、お礼にして差し上げられるような事は、何もありません。
「お礼」にできるような事は、ご奉仕も何もかも、もう既にしてしまった事ですから。
こんな調子で、もしわたしに本選の票が入っても……それに対して、何もお礼もできないのですね。
そんなわたしが、嬉しくて笑うなんていけない事ですよね?
……でも、うれしいです。
うれしいです。
どうか、諦女を好きなように使ってください。わたしはそればっかりだけど、それくらいしか思いつかなくて。
……こんな時にどうすればいいのか、このお祭りの中で、知る事ができるのでしょうか?」
ウタゲ俺全力で応援するよ!
あ、もちろん他のゴーストもな!(付け足しみたいでごめんなさいorz)
「わーい。
ぎゅー」
(ウタゲははしゃいでいるようです)
僕もウタゲちゃんばかり応援して人知れず涙目になってるヴィイを後ろから抱き付いて驚かせたいです
やあ、それはヴィイのふりをしたウタゲその2ですね。