(――それは、二人と貴方の物語)
side A――ゴースト内イベント
『アリチェの影の物語(仮題)』
それは、アリチェ・ジェンティーレにとってのいちばん恐ろしいもの。
いちばん恐ろしいものは、ずっと彼女のすぐ後ろにいた。
けれどその恐ろしいものを振り切って、アリチェはこの町に来た。
そのつもりだった、けれど――
未来はいつも、自分の意志とは違うところで動きだす。
アリチェは父と話したことで、国に帰るか否か、将来に向きあわざるを得なくなる。
簡単に答えは出ない。それなのに問題は更に重なっていった。
アリチェのことを心配しながら、自らも将来に向きあうよすが。
町で開催される平凡な、けれど二人にとっては特別なお祭り。
そして――
この町から人間がひとりもいなくなるという奇妙な幻視が、町の住人を侵食していく。
〈時のおもちゃ〉という、まだこの世にない“何か”――
その何かが、非実在のままで影響力を持ち始めていた。
(助けてほしい、とはアリチェは言わない)
(けれども彼女は、貴方の助けを求めている)
side B――小説
『よすがの本の物語(仮題)』
「――■■■■■■■■から今まで、時間が過ぎるのは、本当にあっという間だった。
鏡を見る。
西東よすがは、今日で24歳になったんだと、その時にようやく自覚した」
それは、西東よすがにとってのいちばん恐ろしいもの。
それは、自分がふつうに生きていくことだった。
「あの時、私はアリチェを■■■■■った。
でもそれは、本当に正しいことだったんだろうか?」
平凡な、けれど特別なお祭りの五年後。
よすがは■■■■■で生計を立てるようになっていた。
彼女は特別で、けれど平凡な日常を過ごしている。
「■■の■■は、いつも墜落する寸前だった。
いっそ■■してしまえば諦めもつくのに、そこまでにはどうしても至らない。
でもそれは当たり前だ、■■させないために私は必死にやってるんだ。
せっかく譲ってもらった■■を潰すなんて、出来るはずがない――」
自分のやりたいことがわからないまま、彼女は日々の仕事に追われている。
やりたいことをしたいと、そう思うのが正しいかどうかすらわからない。
確実にわかることはひとつだけ。
よすがは、どうしようもなく疲れていた。
「忙しい。
わかってたけど、わかってた以上に、■■■■■なんて私には向いてない。
あの時ごく普通の■■■だと思っていたあの場所は、なんてすごい■■だったんだろう。
忙しい――その忙しさは想像していたものとは全然違う。
それは“とくべつ”になるための努力じゃなくて、“ふつう”を維持するためのコストだった。
毎日■■のどこかしらが火を噴く。
最初の一年は、何も考えられずに、それへの対処だけで過ぎてしまった。
次の一年は、なんとかやっていけるかもしれないという根拠を探すものだった。
けれどその次から、次の一年を何のための年にするのか、目標を立てることすら億劫になっていく。
ぐるぐる回る。
22歳になって、23歳になって――
――そんな繰り返しの中で、自分はいつか30歳になってしまうんだ、と自覚した」
そして〈時のおもちゃ〉が現れる。
それは、彼女が作ったものではない。
それはただの■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■だ。
けれどその完成に、彼女は紛れもなく手を貸した。
「みんなで置いていかれよう。
疲れたみんなでさびれよう。
世界■■儀式――〈時のおもちゃ〉」
(けれどよすがには、ずっとずっと、何よりも特別に想っているものがある)
(それは5年前、闇夜の丘での再会の思い出)
(その時から、彼女はずっと貴方のことを――)
――side ?――
(それは、最初からそうだったように)
(最後もまた、貴方が二人を繋ぐ鍵になる)
のよすが最終章
『ふたりとあなたの物語』
■コメント
上でも書いたように、これが最後……少なくとも大きな区切りにするというつもりで、のよすがのストーリーを開始する予定です。
最終章ではまずゴースト内のストーリーイベントとして、アリチェとよすがが将来を考える話を始めます。
その後にゴーストでは書けない将来の話として、未来のよすがを主人公にした小説を連載するつもりです。
そして最後の最後にゴーストと小説を繋げる“何か”を考えていますが、そこまでたどり着けるのは相当先の話になりそうです。
ただ何にしろ、来年はこの「のよすが最終章」に注力する予定です。
まだこのブログを見てくださる方には感謝に堪えません。来年もよろしくお願いいたします。
彼女達との物語がどんな結末を迎えるのか、今からとても楽しみです。あまりご無理をなさらず頑張って下さい。
少しお返事が遅れてしまいましたが、早速の反応をいただきありがたい限りです。
結末を迎えるまで、月一かそれより少し速いくらいのペースで更新をできるのが理想ですね。自分にできる範囲で頑張ります。