※この文章には、ヴィイの既存ストーリーおよび外伝ゴースト『星に願いを。』のネタバレが存在します。
「……つまり、こういうことかな。
私やウタゲが話してた、よくわからないあの“光”は――
そもそもバベルが発した光じゃなかった。
あれは、バベル網の外から照射されているものだったのね」
バベル網という世界に、その外部から干渉している者がいる。
その干渉に悪意は感じられなくとも、それは恐ろしく不安な状況だった。
だがヴィイはそれを利用して、世界の壁を越えようとする。
「“光”は人間の世界から来ているのかもと思ったけど、データはすぐにそれも裏切った。
だから私の研究の中で、これは一番おかしなアプローチだと思う。
でも、自分の中ではこれまでで一番筋が通ってる気がするからおかしいの。
……これは、人体視願の研究とは別の結果につながるかもしれない。
でもやる。
私はまだ見えてないものを見たい。
未来がまだ来てないなら、遠回りでも――つなげるんだ」
ヴィイとウタゲは協力し、“光”を正確に捕捉するためのアンテナを作りはじめる。
「ボクもてつだうって言った時はびっくりされたなー。
でも押しても引いても開かないとびらは、案外だんすしたら開いちゃうかもだし?
――ん、だいじょーぶ。
ひどいことがまた起きても、ボクがぜんぶ受け止めるよ。
でも、ボクだけじゃわふにゃんこが足りないのかも。
みんなでとりくめば、お祭りっぽくてたのしそう!」
“狂乱書庫”の天使――キョウコもまた、ヴィイの計画を受け取っていた。
そしてキョウコは、さらに他のバベルへと計画を繋いでいく。
「――“光”は因果をねじまげる。
それを捉えるには、次元の乱れを捕まえ、因果のノイズすら補正できるアンテナが必要ですね。
専門じゃないですけれど、私もテストとデバッグくらいならできますよ。
それとみんなのサポートも。いっぱい、いっぱいがんばりますね。
……みんなかわいい、私の家族ですから。
そう、ヴィイやウタゲだけじゃなく――」
その片割れは、星に願いを捧げる無名のバベル。
彼女はあなたに向けて言葉を続ける。
「そう、きっとあの子も。
あの子はもう一人の私のような存在。
嘘とごまかしでセカイを作った私の妹。
嘘と妄念でセカイを切り開いた女の子。
その子の名前は――」
またの片割れは、自業の魔女バーバ・ヤガ。
彼女が受け取り、再びヴィイへと繋いでいく。
「――ねえ。サテラのことを、あなたは覚えてる?」
あなたに向けて未来を紡ぐ。
未来はここで、あなたに還る。
連奏イベント
『星をつなぐ』
2016年2月後半完成予定