全部終わったんならまだ良いが。
あの罰ゲームでは存分に萌えかつ大爆笑した。
というか物語全編において日常シーンは全然退屈じゃなかった。俺はすれっからしのオタク野郎です。
だがまあ、いくらなんでもそろそろだよなとは思ってたんだ。
変な話だが、物語が惨劇にはまり込んで以来、恐怖心はなりを潜めた。
でもぶっちゃけ、この事件の真相(らしい推理)を既に知ってたんだ、俺。
えらく勿体ない話だが、その時は俺がこれをプレイすることは無いだろうと思ってたから。
でも訳も分からず怖がってた方が幸せだったかもしれない。
あらかじめ物語の全てを知っていた訳じゃない。以降はひたすら圧迫感と疑惑と断続的な罪悪感に満ちたプレイが続く。
(そもそも俺が見た推理は本当に正しかったんだろうか? ネタバレ回避の姿勢上、ここに書くわけにもいかないが)
描写される痛みのレベルを想像可能な範囲に留めておく手腕も素晴らしい。忌々しいくらい。泣きたくなるくらい。
そして、
「嘘だッ!!!」
この有名なセリフを聞いて、“あ、終わったな”と思った。
物語の結末までは知らないがそれでも、もうこの主人公は絶対に幸せにはなれないと思った。
もう画面から目が離せない。文章センスの代わりに強い意志力で練り込まれていったような展開が続く。
後半の展開で、そしてこの物語全体で一番印象に残ったシーンは指だった。
本当に痛そうだ。いっそちぎれてしまえば良かったのに。
(プレイ済みの方は、こう書けば分かってくれるだろうか? あのシーンはそこまで印象には残らないだろうか?)
そのまま、何も考えなければ妥当なようにも思える展開になる。
真面目に考えれば数奇と謎の塊でもある。
でもまた別の見方をすれば、あの時の主人公の心情は、普通の人間が普通に辿り着ける、限界の真情だったんじゃないだろうか。
最後までそうだったと思う。
そしてエピローグ、最後の一行。タイトルバック。完璧な演出。
もう書くべき言葉も見つからない。
で、おまけの座談会で厄落とし。多分これ、プレイヤーをあまりにも怖がらせすぎないための緩衝材として書かれたんだと思う。
けどあれを見終わっても(しかし、真面目に考えると凄く複雑な構造だった。キャラクターを演じてるキャラクターの性格がキャラクター通りで……?)まだ虚脱感が残ってる。
多分次の編……ええと、『綿流し編』のプレイも行うだろうとは思うが、それはまた相当後の話になるかもしれない。
連続でプレイしたら、死ぬ。CD一枚でシリアスなダメージを負える予感がひしひしとする。
これより凄い話って、一体なんなんだ?
だから、今回はここまで。
後は謝辞。
竜騎士07さんを筆頭とした『ひぐらしのなく頃に』スタッフの方々、ありがとうございます。素晴らしい作品を無料で鑑賞する幸運に預かりました。
後の作品購入を感想の送信に代えさせていただきます。
プレイのそもそものきっかけとなった魔王14歳さんにも感謝しています。
余談を書くなら『ダブルダウン勘繰郎』は貴サイトの感想文が購入のきっかけになっています。
『アラビアの夜の種族』は一度読んだら三日は悪夢にうなされるような最悪のホラー小説です、と言いたいところですが、本当は洒脱でねじけた愉快さに溢れた幻想小説です。
読み終わった後には感想文の方も(勝手に)期待しています。
そして独り言のような文章に戻るが、次に何をすべきかは分かってるんだ。
俺も書かないとな。
作らないとな。遊ばないとさ。
もうね、よくぞ俺よ俺のために生まれてきたと言いたい。
こんな面白いものが、まだまだ手の届く場所に沢山あるんだから。
お疲れ様でした。ギャルゲーパートが退屈でないと言うのはひぐらしをプレイするにあたって大きなアドバンテージですね。羨ましい。気に入ってもらえたようで、紹介した側として幸いでした。
『アラビアの夜の種族』が楽しみです。読んだらサイトのほうに感想書きますね。
見返してみると相当こっぱずかしい文章だったなあ、とか思いつつ。
重ねてありがとうございました。感想も待ってます。