欠点が多い物語である事だけは既に承知しています。
ネタバレ防止のため、詳しくは『続きを読む』内にて。
全体:
文章がくどい。一部は分かりにくい。
その割に内容を詰め込みすぎて個々の印象が薄くなっている気もする。
キャラの名前が印象に乏しすぎる上に命名法則が不明。
キャラの容貌の描写が足りないのもどうか。
なるべく日常の言葉には外国語を使わないつもりだったが、「ポケット」とか使ってるし。
第一章:
第二・三景に動きが少なすぎる・アリスの敗因が『偶然』と言うのはどうか。
第二景、聞かれてるのに立ち話は間抜けすぎる。
第二景辺りにアイーシャについての会話追加。あの文脈で母親の話が無いのは不自然すぎる。
バベルの陰謀に対する伏線を忘れてる。
水晶の事も再び出てくるまで間が空きすぎな気が。
世界設定がヌルい。日用品にこの世界独自のものが欲しい。
第二章序盤も含めてちょっと会話が淡々としすぎてる気がする。「――」とかもう少し使っても良いかも。
第二章:
物語の都合上仕方ない面もあるとはいえ、やはり全体に動きが少ない。
アリスとロビンの相克の描写が微妙。
アリスとカミロはもうちょっと対立しておいた方が自然。
最終景、本当はあの状況で普通に〈風〉を統率できる者の一人や二人くらいいてもおかしくないんじゃないのか?
この時は吸血種の中でもカーレンだけは弱かったという事をちゃんと説明すべき。
第三章:
上に関連し、アリスが理由もなく皆をまとめる力を持ってるのが不気味。
「お礼は、しますから」の顛末を忘れてた。
戦闘描写がヌルい、バベルの変形後が触手は陳腐。躍動感のあるイメージが欠けている。
最終景の残虐描写もヌルい、と言うより美しくない。
終盤アリスが壊れる描写は最重要、もうちょっと突き詰められる筈。
あとカーレンが役立たず過ぎないか。
パウルが死んでいく描写ももうちょっと美味しく書けないか?
それともこういう風に後から後から何かを付け加えていこうとするから詰め込みすぎになるのか?
第四章:
カミロがちょっと物知りすぎ。ニーナから噂を聞いている描写でも入れたらどうか。
地面に栄養価があるなら、それを食って生きようとする者はもっと多くないか?
と言うより、あの描写では精骸が足りているのかいないのか良く分からない。土地管理についての説明が甘い気がする。
最終景、アリスの自傷が狂っているにしても唐突すぎる。荒んだ町で4年間を過ごした重みも、もっと描くべき。