Categories: 小説以外

大規模修正

 第1景を見直してみると、結末にどう言い繕っても有り得ないくらいにおかしい点がある事が判明しました。
 既読者のための補完は『続きを読む』にて。


「……男なんて、大嫌いだ」 
 ロビンは心底から、そんな言葉を吐き出した。
 そして息をつく。
「撃て」
 その言葉は、勿論ロビンの放ったものではない。
 続く銃声はむしろ爆音に近かった。
 硝煙の中でバベルは、肉体を弾けさせながら踊っている。
 自らの得物を使った当然の結果として痙攣と共に両腕の骨を折り、加えて〈水〉の兵団の一斉射撃――
 数秒で脂肪交じりの不可解な塊と化したバベルは、自ら地竜パウルの心臓に作り出した穴へと沈んでいく。
「――――」
 沈黙。
 カミロですら最大の力で投剣をバベルの身体に突き立てたと言うのに、ディイだけが〈攻城者〉の引き金に指をかけたままで撃っていなかった。
 その異様な冷静さにも、今は言及する者もいない。
 ロビンはふと家へ帰りたくなった。
 目を閉じて眠りたくなった。
 帰れもしないのに。
 心臓の欠落から噴き出す精骸の怒涛よりも、その中で再生していく怪物バベルの方が赤い。

(上記修正後)

uekami

Share
Published by
uekami

Recent Posts

過去に匿名で制作していたゴーストを再公開しました。

『よろしいこと。』――小規模ア…

3か月 ago

のよすが:更新

■今回の更新について ※複数回…

4か月 ago

数日以内にのよすがのイベントを更新します。

 のよすが最終章のアリチェ編、…

4か月 ago

のよすが掌編『告別式』

■おはなしについて  ゴースト…

5か月 ago

人体視願/ヴィイ:更新

※複数回更新を行っています。1…

6か月 ago