第315078回・神殿の猫はどんな下着をつけているのか脳内会議

「実際の話、ねこはぱんつはいてないとしても全く不思議はないと思うんだよ」
「いきなり直球を投げてきましたね。理由を語れ」
「んーと、じゃあ分かりやすく単純化して語る。中世では布も貴重品ですよ、節約しないと勿体ないじゃん」
「……それだけ?」
「実際ちょい調べた限りではそんなもんじゃなかったっけ?」
「よく覚えてねえなあ。後で調べなおしとく?」
「じゃあそれまで暫定はいてないって事で決定で。たくしあげを恥ずかしがる理由が分かるね、よしよし」
「……いや、よくねえよ! トークで“下着はつけてる”って明言してるから!」
「なんだよ早く言え。じゃあ下から考えるべ」
「文明レベルの制限があるのは確かだ。下着レスとまではいかずとも、単純な構造の下着にはなるだろうね」
「どんな下着をつけてるか、職業的に重要ではあるだろうけどね。それでも王侯貴族という訳でもあるまいに、文明レベルの限界に近い縫製技術の恩恵を受けるところまではいかないだろう」
「やっぱそこは単純な下着だよねー。あるぞ、布さえあれば作れる簡単な奴」
「ほほう」
「しかも一部に愛好者も多いし、デザインの工夫も奥深い」
「なにそれ。言ってみ」
「ふんどし」
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
「……さすがにイメージじゃないなあ……紐パンあたりに妥協できない?」
「でもどんな紐パンか、という問題もあるね。既存のゴーストで紐パンってえと、誰かいたっけ?」
「……ソフィ、だったかなあ」
「よし、ソフィか。ちょっとめくってくる」

「めくってきました」
「泣かれましたか」
「泣かれました。やっぱり縫製技術がそれほど発達してなくても、工夫とセンスでなんとかなりそうなデザインだったな」
「なかなかシンプルなデザインでもあった」
「レースの配置とかは無理くさいしねー。レースって、ミシン以前はどうやって作ってたんだろ?」
「極めて難しかった事は間違いない。“ひとつのレースは農民百人の血を搾り取る”という慣用句もあるしな」
「ねえよ」
「ないか。で、上というかブラに関してですが」
「ゴム入りのパンツもそうだけど、現代のブラジャーってねこの時代の基準からすれば完全にオーバーテクノロジーじゃね?」
「ワイヤーなど考慮するともはやスーパーギガテクノロジックとすら言えますね。恐らくはタンクトップ的な代物をつけているのでしょう」
「ひとくちにタンクトップ的と言っても色々ある予感だが。具体的にはどんなの?」
「……描写する必要が出てから考えよう」

「でもさ」
「ん?」
「むしろ文明レベルをどうこう言うなら、問題なのは下着より服じゃないか?」
「あー……」
「ねこのトークではそう言ってたけど、あの服が総絹拵えってのはいくらなんでも風呂敷広げすぎじゃないか。中世の贅沢品の高さを甘く見るなよ」
「フリルとか袖の辺りとか、技術的にも高度かもしんない。総合すると、考えられる価格は……」
「……考え方次第では、“屋敷が買える”レベルに届きかねないんですが」
「…………ねこがそれを入手できたのが不思議という以前に、それが召し使い用の服ってどういう事だ」
「でもまあ。あれ、見直してみると“ねこが総絹拵えだと勘違いしてるだけ”という線も捨てがたいと思ったんだが。服への思い入れの表現としてね」
「あー。どう考えても高級品の部類には入る服だろうけど、現実的な範囲に留めるためにはそういうのもアリか」
「根本的にはどうでもいい事じゃないかとも思うけどねー。ぼくら設定厨」
「んじゃもうひとつの設定を詰めよう。あの服どうやって着てるんだ?」
「……はい?」
「いやさ、たとえば着た後はどうやって服を留めてるかとか。ボタン? 紐? マジックテープ? 磁石?」
「……ありゃ腰の帯で締めてるんじゃねえの?」
「いや背中とか首とかその辺の話。正味、その辺はメイド服についてぐぐってもよくわからなかったんだよなー」
「普通ファスナーを使うとは思うけど」
「中世にないじゃんファスナー。誰か俺にメイド服の構造を知る方法を教えてくれよ!」
「買えばいいと思うよ」
「メイド服をかよ!」
「むしろ着ればいいと思うよ」
「……ファスナー部を紐で代用してるって事でお願いしたい」
「スルーすんな。まあ、そんな感じで……って、おい」
「ん?」
「聞けよ。服の構造くらい、描いた人に」
「あ」

1件のコメント

  1. 現代型の下着じゃなくて、襦袢みたいなものだけをまとってるとしてもいいかもね。

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