試案『ランダムトークを量産する方法:お題と定番ネタの組み合わせ』

※この記事は伺か Advent Calendar 2015の5日目に投稿したものです。

■記事の概要
 ゴーストの作者がランダムトークを考えるための補助を目的とする。
 身近なものをランダムトークを書くための“お題”とし、それをゴーストのトークでよく使われる“定番ネタ”と組み合わせることで、トークを書くための方法論とする。
 またそれを踏まえてトークにひねりを入れる方法、自分の書いたトークが面白いかつまらないかを判断するための評価基準も合わせて書く。

■注記
 この記事がランダムトークを書くためのルールなどではなく、ひとつの方法論に過ぎないことは言うまでもないと思う。
 それを踏まえて文章は簡潔に、何事も断言していく形で書く。
 なおこの記事の対象となるゴーストとしては、ユーザと雑談やスキンシップをすることが主な目的のソロゴーストを想定している。
(ソロゴーストでない場合もこの記事の方法論でトークは書けるが、後述する複数の定番ネタの組み合わせの方が書きやすい)

■サンプルゴースト
 記事に沿ってトークの具体案を出すために架空のゴーストを考える。
(引用符をつける形で記事内にトークを挟んでいくが、実際にこのゴーストのデータが存在するわけではなく、あくまで便宜上のもの)
名前:アリサマリア
年齢:12歳 性別:女
設定:異世界『マジックランド』のお姫様。精神的にも年齢的にもまだ子供だが、現実世界にお忍びで旅行に来た時にユーザに一目惚れして、以後ちょくちょく現実世界にやってきている。
口調:一人称はわたくし。~~ですわ、~~ですの、というようなお姫様っぽい口調。ユーザのことは“あなた様”と呼ぶ。

「わたくし、あなた様の元でこの世界について学びたいんですの。
 よろしくお願いしますね、あなた様!」

■この記事で言う“お題”とは
 お題とは、ランダムトークを発想するための元となるキーワード。
例:手料理、ペットボトル、仕事、魔法、SF小説、新型のiPhone、初恋、ブランコ、戦前の自動車、石器時代、将来の夢――その他何でも

 お題そのものは今トークを書いているゴーストと全く関わりのないものでなければ何でも良い。
 作者自身が気になるものでも良いし、身の回りにあるものから選んでも良いし、辞書から抜き出しても良い。
 お題は選んでそれに従うだけのものではなく、どんどん派生を考えていける。
例:手料理からお菓子作り、さらにホットケーキ作り、また電子レンジやフライパンなどの調理器具などに派生させる

 また、ゴーストの設定の中からお題として使えるものを抜き出すのも良い。
例(上記のサンプルゴーストから):マジックランドの政治形態、マジックランドという名前の由来、アリサマリアの宝物、仕えていたメイド、異世界へ抱く不安についてなど

■この記事で言う“定番ネタ”とは
 定番ネタとは、ランダムトークでよく使われるネタをこの記事のために明文化したもの。
 上記のお題を大量に用意した後、以下の定番ネタと組み合わせることで、理論的には大量のランダムトークが作れる。
 以下に思いつく限りの定番ネタと、サンプルゴーストによるお題“手料理”でのトークの案を列挙する。
 
【ボケる】――お題の常識を知らない、お題への偏見、お題の異常な活用法など

「“手料理”って、変わった言葉です。
 こちらの世界では“手料理”と工場で作るお料理があるのですね……
 工場でたいりょうせいさん? をする……から、工場で手がたくさんあって、工場でたくさんの手が、手が……
 ……あなた様ー!
 こ、工場ってこわいですー!」

【豆知識】――お題についての雑学、職業的知見、知っていると実生活に役立つことなど

「工場でお料理の素を作ると聞いたときはちょっと怖かったけど、このホットケーキミックスはほんとにすごいですわ!
 わたくしあれでたくさんホットケーキを作りましたの、お台所にあるいろんなものを入れてみました。
 あなた様に教えてあげます。混ぜるときにヨーグルトを入れると、ふわふわのホットケーキができますよ。
 どうです、知らなかったでしょー?(どやー!)」

【思い出語り】――お題についての嬉しかったこと、お題をはじめて知った時、はじめて実際に使った時のことなど

「わたくしの12歳の誕生日に、お母様がアップルパイを焼いてくれましたの。
 りんごがたくさん入っていて、卵を使ったクリームがふわふわで……
 えへへ。とっても可愛くて、とってもおいしくて、この世のどんなお菓子よりすてきでしあわせでしたの」

【ゴーストの思うこと】――お題について感心したことや文句をつけたいこと、お題についてゴーストが個人的に考えていることなど

「わたくし、たくさんの“手料理”をレシピを見ずに作れるようになりたいです。
 なにも見ずにホットケーキを焼けるようになった時は、とってもうれしかったですの。
 とっても大人になった……というか、成長した気分になったというか……
 とにかく、その、すてきでしあわせ、でした」

【ゴーストの日常】――お題について最近経験したちょっとしたトラブルや成功、ふだんはお題にどう接しているか、過去の生活ではどうだったかなど

「“手料理”はやっぱりむつかしいですの。
 フライパンで蒸し料理を作ろうとしてお肉と油と水を入れたら、ばちばちばちっ! ってすごい勢いで油がはじけて……
 あわわ。こ、こわかったです……」

【ユーザに話題を振る】――お題について質問、ユーザの考えや価値基準を問う。

「家庭教師の先生に、わたくしがフライパンを使うのはまだ危なっかしいと怒られてしまいました……
 でもわたくしはもう12歳です、簡単なお料理くらいできてもいいではありませんか!
 ……あなた様はどう思われますか?
 子供が火を使うのはだめですか?
 それとも、わたくしが“手料理”に向いていないのでしょうか……?」

【ユーザへの好意】――お題をユーザのために使いたい、お題をいっしょにやる、など

「あなた様の好きなお料理はなんですか?
 わたくしお料理は、やっぱりちょっと苦手かもしれません……
 でも、あなた様のためならわたくしがんばりますっ。
 おいしい“手料理”ができたら、わたくしのことをいっぱい褒めてくださいね」

【組み合わせ】――上記の定番ネタの複合。ゴーストの日常を通してボケる、思い出語りからユーザへの好意につなげる、など

■トークをひねる
 機械的にお題と定番ネタを組み合わせるとどうしても似たようなトークが多くなる。
 なので自分の書いたトークを見返した上で、全体的な傾向とは違うトークも入れると良い。
 この方法論の場合はひとつのトークが長くなりがちなので、あえてトークの文章を削るとアクセントになる。
例(長いトーク):

「工場でお料理の素を作ると聞いたときはちょっと怖かったけど、このホットケーキミックスはほんとにすごいですわ!
 わたくしあれでたくさんホットケーキを作りましたの、お台所にあるいろんなものを入れてみました。
 あなた様に教えてあげます。混ぜるときにヨーグルトを入れると、ふわふわのホットケーキができますよ。
 どうです、知らなかったでしょー?(どやー!)」

例(短くしたトーク):

「ホットケーキミックスにヨーグルトをまぜまぜして……
 はふ。ふくらんでふわふわで、すごかったです……」

■面白いかどうかの自己評価
 とりあえず書いた後のトークを見直して、書き直すかどうか考えるときも、自分なりのガイドラインがあると捗りやすい。
 自分がユーザだったら今書いているトークをどう思うかについて考えるのが基本となる。
 面白いと思うかどうか、というだけではあいまいなので、具体的に“可愛い”“興味深い”“笑える”“切ない”などなど、プラスの感情を抱けるかどうかについて思案するのが良い。
 そしてどんな感情も抱けないようなら、そのトークは没にしてまた別のお題を探す手もある。

■わかりやすいかどうかの自己評価
 トークを見直す場合は、ユーザと作者のゴーストに対する知識の差にも注意する必要がある。
 作者はゴーストに対する全ての知識を持った上でトークを見直せるが、ユーザはゴーストの初回起動の直後にそのトークを読むかもしれない。
 上記の“あえてトークを削る”とは相反するが、説明不足を補うための追記が必要になることもある。
(流れを作るためのチェイントークや、一定の起動回数や起動時間を経てのみ出現するトークを作るという手もある。
 ただ予備知識を必要とするトークを作っても、ユーザはその予備知識を見逃しているかもしれないし、忘れているかもしれない)

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