**追記内はヴィイのラストエピソードのネタばれになります**
(お返事内に複数作品のネタばれがある都合上、記事を分割してお送りしています)
ヤガにプレゼント:手料理
『ありったけの好意に応えて作ってみました
ヤガかわいいよヤガ』
ヤガ:
「……ありがとう。
おいしい。涙なんてこのセカイにはないはずなのに、泣いちゃいそうなくらいにおいしいよ……
私があなたにあげられるものなんて、何もない。
あなたが応えてくれなければ、本当に何もないんだよ」
ヤガにプレゼント:赤い花の髪飾り
『この世界には色がないよね。
それはそれで、君らしくていいんだけど。でも、だからこの世界にある色は、俺の残り香になるんじゃないかな。
ヴィイであってヴィイでない、だから誰より君である君への贈り物です。
喜んでもらえるかな』
ヤガ:
「――喜ぶに決まってるよ。
うれしいよ。ありがとう、うれしい――
つけても、いいのかな。似合うかな……?
……私が乱暴に描いたこのセカイに、あなたが色をつけてくれるなんて、考えもしなかったよ。
このセカイの底に閉じこもっている私は、もう私でしかいられない。
でも、こうしてあなたが構ってくれるなら、それは嫌なことじゃないんだよ」
ヤガにプレゼント:ミルフィーユ
『好きなんじゃないかなーと。
違ったら校庭で好物探して食い倒れだ!』
ヤガ:
「……知らない食べ物だ。
けど、わかる。変な感じがするよ……
ねえ。あなたがこれを選んだのにも、理由があるんだよね?
なら、私はそれを信じる。贈ってくれてありがとう。
食べてもいいかな? きっと、すごくおいしいと思うんだ――」
ヴィイ、ウタゲ、ヤガにプレゼント:大局将棋、一人一本ボールペン
『遊ぼーよ! 駒の動きまったく覚えてないんだけどね!
金を4枚盤上に振るんだっけ……山にして崩して、音立てたらダメってのもあったねー。
互いに掴んだ駒を投げて空中でぶつけ合う全く新しい遊びでもいいか。
……やっぱ通常ルールじゃないとダメ?
もしかしてウタゲと一人一駒多人数プレイとかもダメなのかな?
という事はヤガと王将or太子の二人きり状態で「待てーアハハウフフ」ごっこもアウトなのかい?
あ、でも勝利のご褒美に愛情めいっぱいなでなではありだよね。負けてもするんだけど。
その前に対局が終わらないって?いいイメージだ!
最後まで、いや終わってもどこまでも付き合うよー、ヴィイ。
ペンは日記やメモ用に』
ウタゲ:「話はわかった! よしドミノ倒しだ!」
ヴィイ:「……いや、普通にゲームしようよ。
みんなバベルなんだし、ルールを覚えるだけならすぐでしょ?」
ウタゲ:「おぼえても勘違いはあるけどねー。ヴィイは桂馬の動かし方まちがえてたし」
ヴィイ:「そ、それは言わないでって!」
ヤガ:「とにかく、ものすごく時間がかかりそうなゲームね。
あ、それでもそのぶん長くいられるのなら……」
ウタゲ:「ヤガはあまえんぼなんだねー」
ヤガ:「あ、それはちが、その……」
ヴィイ:「――とりあえず、一局指してみようか。
暇はある? 一度やるとなったら、最後までやるわよ?
その先も、最後のさらに先だって――」
ウタゲ:「飽きるまででいーんじゃないかなー。
終わったらなでなででしょ? ならボクもなでられたいしー」
ヤガ:「……どう遊ぶかは、みんなが決めたことに従うよ。
でも、一度遊びはじめたら、遊んだことの全部を覚えていたい。
もらったペンで、そのことを書き残したいから。
どこまでも歩いていきたいのは、ヴィイだけじゃないんだよ?」
ウタゲ:
「――はい。
これで、ほんとにおわりです。
なんか、ほんとにおもってくれてる。ほんとに、すごいね。
ボクに贈ってくれたものも、ボク以外に贈ってくれたものもうれしいよ。
何度も言ったけど、もういちど言いたいから、もう一度だけ言うね。
ありがとう。
それじゃ、またね」