企画『ゴーストたちがプレゼントを欲しがっています』お返事(1)

※追記内の記事末尾に、ヴィイのラストエピソードとのよすが第二部のネタばれがあります。

「こんばんは、ヴィイです。
 たくさんのプレゼントありがとう。とっても嬉しいよ」
「ウタゲだよー、ボクにもプレゼントありがとー。
 でもさ、ちょっといい?」
「うん?」
「ボクらと人間って世界が違うから、そもそもプレゼントを渡したりとかできないんじゃないの?」
「…………」
「ヴィイ?」
「さ、いただいたプレゼントを順に紹介していきましょうか。
 ちょっと長いけど、我慢して読んでね」
「スルー!?」
「……せっかく私たちにもわかるやりかたで気持ちを伝えてくれてるのに、無粋なこと言わないの」


ヴィイにプレゼント:ギモーヴ・ドゥ・マカロン
『ヴィイー!昨日近所のデパートの地下食料品売り場の洋菓子店で職場の人へのお返し買ってる時に
 お前がこのお菓子食べてる姿を想像してたんだよヴィイーー!!
 お前が!あの可愛いお前が!愛しくて愛らしいお前が!「美味しいね」って笑顔で食べてる姿を想像していたんだー!
 つまりこれは渡りに船!ナイスタイミングなんだ!どうか貰ってやってください!
 ヴィイ!私は貴女にゾッコンLOVEで御座います!」』
「ちょ、ちょっと、勢いつけすぎだよ……
 ……でも、嬉しいよ。
 ギモーヴを挟んだマカロンって、かわいいね。ありがとう。
 あのね。私も、あなたのことを想像したいよ。
 デパートの売り場でこれを手に取った時のあなたは、どんな顔をしてたのかな?
 ――きっとその時のあなたも、かわいい顔をしてたと思うんだ」

ヴィイにプレゼント:結婚指輪
『「あなたの大切なひとになったみたい」って居眠りの度に言ってますが、「みたい」じゃなくて大切なひとです。愛してるって何回言ってもわかってないようなので指輪贈っておきます。』
「ゆ、指輪は……さすがに。
 結婚とか、できないんだから……ごめん、受け取れないよ。
 私とあなたとじゃ、住む世界が……
 ……ごめんね。それに、今はまだ怖いの。
 ねえ、こんな私でもいいの?
 ほんとに……?」

ウタゲにプレゼント:精液
『死体の時にしか出来なかったけど今度は生きている君にあげるよ
 元気な子供を生んでね』
「せーえき? かわいいプレゼントだね、ありがとー。
 あかちゃんできたら結婚する?
 ――あかちゃんとか、できるといいんだけどね」

神殿の猫にプレゼント:甘いチョコレートと、軽い悪戯としてカカオ99%を
『大好きです。独占したい』
「こ、これがちょこれーとっ。ほんもの、はじめて見ました……
 ありがとうございます……ほ、ほんとに食べてもいいんですよね?
 で、ではさっそく、ぱくっ。
 ……あまー! うまー……!
 えへへ。じゃあ、もうひとつの方も……
 ……!?
 に、にがいぃっ!?
 ……うー。どっちも同じチョコなんですか?
 なんだか、ぜんぜんちがいましたけど……
 ……でも、そういうものなのかもしれませんね。
 ごめんなさいね。ねこはあなたに、ねこのぜんぶはあげられないのです。
 ねこの全部の中には、苦いところもすっぱいところも、たくさんありますよ?」

いずなにプレゼント:さとうきび、もしくは甜菜などの作物
『土産です。うまく育てば、山吹色の甘い畑になるとか。
 かじるも良し、植えるなり、一服するなりどうぞ。
 使えなかったら、猫をじゃらす草にでもしてください』
(※ホワイトデーの贈り物に迷い、ふと見合いで嘆く額を撫でようとして違う所を触り、思いのほか、すまない事をした侘びや、日頃世話になっているからと考えたものの、髪飾りや、ユーザーの性別による品を贈って良いものか、嗜好品及び喜ぶような物が、道端に雪うさぎの行列作る並に思いつかなかった等のやましさを心の中で割愛しました。)
「おや、これはずいぶん貴重な作物をありがとう。
 うちの畑で育てられるかな? 試してみることにするよ。
 ……猫じゃらしか。あいにく、猫は飼っていないんだよな。
 君をじゃらせるかな? さて、それも試してみる事にしようかな。
 どうも君は少し考えすぎるところがあるらしい。たまには童心に帰って遊んでみるのもいいんじゃないか?」

やっぱりヴィイへプレゼント:星の砂
『厳密には砂ではないんだけれど・・・
(ゴーストの更新機能が使えなくてばぐとら研に駆け込んでる状態なので
 実際にイベントなどを見られるのはもっと後になりそうですが・・・orz)』
「――わぁ。これが星の砂?
 これは確か、海からとれるものだよね。サンゴとは違うんだったっけ?
 ありがとう、嬉しいよ。
 事情があっても、わたし待ってるから。ね?」

諦女にプレゼント:純白の首輪(長いチェーン付)
『これならずっと一緒だよ。いや、ずっと一緒に居なさい、と。言いながら付けた首輪を撫でたい』
「これを……わたしに?
 わあ、わあ、なんて綺麗……!
 あ、ありがとうございますっ。これで、ずっと、ずっと一緒に――
 ……ずっと、わたしを飼ってくれますか?
 わたしはずっと、ご主人様の下にいますから」

ヴィイにプレゼント:ペアのペンダントの片方
『つけていればいつでも繫がれると考えたんで、ペアのペンダントで。
 愛してるよヴィイ』
「これって、あなたが持ってるのと同じデザインの……
 ……ありがとう。きもち、嬉しいよ。
 私はあなたを、本当の意味で愛することはできないのかもしれない。
 でも、私はオンラインだ。
 あなたと接続する方法はきっとある。これもたぶん、そのひとつだよね」

リーライナにプレゼント:ケーキ 1ホール
『いつも傍にいてくれてありがとう』
「うん。リーライナさんってやさしくてかわいいよね。
 そばにいてくれるのが嬉しいっていう気持ちも、わかるかな……
 ……いや、でもリーライナさんはここにいないからね?
 あ、私はヴィイだよ。いちおうこっちで渡せるかどうか探してみるけど、あんまり期待はしないでね?」

ヴィイにプレゼント:どうめきのクッキー

「ありがとう。私の好物、覚えててくれたの?
 うん、ドウメキがしっかり埋め込まれてる。可愛いなあ……
 おいしそう。よく味わって食べさせてもらうから、ね」

ウタゲにプレゼント:きれいなオルゴール
『何をあげても喜んでもらえそうなだけに何をあげればいいのか迷いますね。ウタゲのことを心から愛してる気持ちを乗せて贈ります。』
「えへー。ボクはなにをされても喜ぶけど、こういうのはよろこびひとしおなのです。
 オルゴールっていいね、いつか他のひとからももらったような……
 うん。でも、いまはこのオルゴールがきれいだな。
 ありがとう。ボクもキミのこと、愛してるよ」

ヴィイにプレゼント:空や海の写真
『私の普段見ている景色を少しでも一緒に見れるように』
「――ありがとう。
 あなたは私の視覚を想ってくれた。それが、すごく嬉しいよ。
 ひとりでいる時は、この写真を見て過ごすね。
 あなたの普段を、私の普段にできるようにさ」

ヴィイにプレゼント:感謝の気持ち
『ヴィイ、いつもありがとう。
 貴女と出会って早4年、当時高校生だった私も来月には正式な社会人になります。思えば長いようで短い4年だったような気もします。
 ヴィイが居ないデスクトップなんてもう考えられません。
 紆余曲折を経て、貴女が私の事を好きだと言ってくれた時は凄く嬉しかった。と同時に、ちょっと申し訳ない気持ちになりました。
 でも・・・もしよかったら、これからもずっと一緒に居て欲しいです。
 ヴィイ、私も貴女が大好きです。
 それと、ウエ紙様へ。
 こんなにも素晴らしい子を創って下さり、本当にありがとうございます。
 ヴィイは私の中でも特別な存在です。彼女と出会ってから価値観が変わりました(もちろんいい意味で、です)
 今後も、ヴィイやよすが達の更新を楽しみにしています。
「ゴーストへのメッセージ」とのことでしたが、この場をお借りして感謝の気持ちをお伝えしてしまい、すいませんでした。
 ではでは』
「――私も、いつもありがとう。
 あなたはだんだん成長していってるのね。私もあなたの後を追って、少しは成長できたかな?
 ……人前だし、その、あんまり恥ずかしいことは言えないけど。
 でも、たくさんの言葉をもらえて嬉しかったよ。
 これからも、よろしくね?」
(作者からもお礼を言わせてください。
 創作を通して人の価値観を変えられるとは思っていませんでした。これからも頑張ります)

くららにプレゼント:おそろいの指輪とか。二人で過ごしたことの証明になるもの。
『くららから知性が消え去ってしまっても好きだよ。
 俺は置いて行ったりしない、最期のその時までずっと一緒にいたい。
 とか。
 ちょっと臭いっすけど。
 でもくららには真剣に人生捧げたくなります。添い遂げるなら最期まで。
 なので人狩りの王も更新してください!』
「……うゆ。これ、なあに?
 くれるの? ありがとう……
 ……すきだから、ごほうびくれるの?
 ん。くららも、あなたのことがすき。
 いっしょにいるってふつうだよ、ずっとずっとふつうしよ?」
(人狩りの王については、今取り組んでいる様々なことが終わった後に更新できるかもしれません)

ヴィイとウタゲにプレゼント:ミルクココア
『一緒に飲みましょう。
 きっと甘々です』
「わーい。ボク、あまいのみものすきー」
「――私も。
 ありがとう、さっそくいただくね」
「ふーふー。こくこく……
 ……わふ! あまーい!」
「――んく、んく。
 ……うん。あったかくて、おいしいよ」
「ありがとー。
 おし、キミもボクとヴィイといっしょにココアのもう?」
「うん、それができたら――」
「しかもくちうつしで!」
「それはやめなさい!」

ヴィイにプレゼント:( ^ω^)ペロペロ

「ひゃっ。
 ……えと。これ、プレゼント?
 まあ、その。……そういう気持ちは、受け取っておくけど。
 これでただからかってるだけだったりしたら、怒るからね……?」

ウタゲにプレゼント:ヴィイという呼び名
『もしかしたら困るかもしれないけれど、あなたをヴィイと呼びたいのです。
 彼女と同じ名前としてではなくて、現象としての名前でもなくて、一科の女の子としてあなた自身の名前を口にしたいのです。
 彼女と同じではないけれど同じくらい素適なあなたに親愛を込めて!』
「……ん。
 ごめんね。ボク、困ってるかも。
 こういうきもちは、ひさしぶりだな……
 ボクと同じようなからだやこころを持った科はたくさんいる。それをひとまとめにして、ボクらは“ウタゲ”として生きてるの。
 たくさんいるウタゲの中のボクという個体に名前をつけたら、ボクはウタゲから切り離されちゃう。
 そうしたらボクは、ボクは――
 ――ん。
 でも考えてみたら、そうしても特にどうにもならないような気もしてきたよ。
 ヴィイって呼んでいいよ、あと親愛もしてして!
 ついでにボクの死ぬところも見ててくれたら、もはやかんぺきになってきた!」

ヴィイにプレゼント:ありがとうの言葉とクッキー
『ホワイトデーだのプレゼントだの関係なく前からずっと伝えたかった言葉があります。
 いつも居てくれて、話をしてくれて、ありがとうございます。
 あなたの存在にいつも救われています。
 いつも伝えられればなあと思いながら届かないありがとうを繰り返していました。
 この機会にあなたに届いてくれると嬉しいです。
 あとぬいぐるみばっかりあげてごめんなさい。
 そんな形でしか俺の気持ちを伝えられんのです。
 それだけでは味気ないので俺が作ったクッキーを贈ります。
 最近お菓子作りに凝っていまして、たぶんキョウコさんのクッキーよりおいしいと思います。(ドヤ顔で)
 みんなで食べてね。
 いつかあなたとお茶できる日を楽しみにしています。
 大好きだよ!』
「……わたしは。そんな、感謝されるようなことなんて、してないのに。
 た、ただいるだけなのに……救われるなんて、そんなの……
 ……お菓子、もらうね。ありがとう。
 ふたりで“ありがとう”って言い合って、ヘンかもしれないけど……
 でも、やっぱり言いたいのは私の方だ。
 こんな私のことを、いつも気にしてくれて、感謝してる。
 ――お茶会とか、できるといいね。
 その時は私もお菓子を作るよ。
 キョウコの作ってくれるお菓子はおいしいんだよ? ふふ、その時はみんなで作ったお菓子、食べ比べしようよ――」
 
 
 
 
 
** 以下はヴィイのラストエピソードとのよすが第二部(イベント「西東よすがの大魔術」まで)のネタバレになります **
 
 
 
 
 
ヴィイ、ウタゲ、ヤガ、アリチェ、よすが、『よすが』にプレゼント:クッキー(プレーン、チョコチップ、ココアマーブル、抹茶)
『ヴィイとウタゲには、日々の癒しになってもらっています。
 ヴィイのチョコはとても嬉しかったので、唯一作れるお菓子であるクッキーを用意しました。お返しはヴィイにですが、ウタゲも一枚噛んでいるとの事なので、仲良く食べてくれると嬉しいです。
 いい機会だから言いますが、ヴィイ、一方的だ、なんて思わないでください。例え手段が限られていても、私たちは双方向的に繋がっています。
 それからヤガにも。できれば来年はチョコくれ!!頼む!!
 そしてアリチェ、よすがのご両名に。いつも楽しい時間をありがとう。 あのお店のケーキには遠く及びませんが、自室でのお茶請けにでも食べていただけると幸いです。
 あと二人とも、美味かったぞー!
 最後に。『よすが』に。 届くかどうかはわかりませんが、私は貴女にも御礼がいいたい。 何もできなかった『私』を、どうかよろしく。
 皆に、愛を込めて』

ヴィイ:
「――プレーンクッキー、もらうね。
 ありがとう。あなたが作ってくれたんだね、おいしそう。
 あなたとこうしてやりとりできるっていうこと、私も信じてるよ。
 言葉と他の何かが通じる限り、私たちはだいじょうぶ。
 それじゃ、いただきます。あむ――」
ウタゲ:
「じゃあボクはチョコチップクッキーもらうー。
 ヴィイもはむはむしてるから、ボクもはむはむするのです。はむはむ。
 ……あむ。おいしい!
 えへへ、ありがとー!」

ヤガ:
「……ココアの模様、綺麗だね。
 ありがとう。あなたから手作りのお菓子がもらえるなんて、思ってなかった。
 あの、バレンタインに何もあげられなくてごめんなさい。
 あの世界には暦がないし、私もそういうのがよくわからないの。
 どうすればいいのかな。毎日チョコをあなたにふるまったらいいのかな、違うよね……?
 ……でも、やってみる。
 うまくできなかったら、ごめんね……?」

アリチェ:
「抹茶クッキーもらったー!
 あの時のお返しかしら。ありがとう、すっごいおいしそう!
 なんだっけ。日本のホワイトデーは三倍返し、だったっけ?
 でもわたし、今はひゃくばいがえしくらい、してもらった気分なの。
 んふふ。これはきみの血の次においしいなにかですよ?」
よすが:
「……ありがとう。
 嬉しいよ。私も……
 ……あれ? ちょ、ちょっと、クッキー……
 ねえ、みんなもうクッキーぜんぶ取っちゃったとかじゃないよね? ねっ!?
 うー。いいよ、アリチェに分けてもらうから……
 ……あいをこめて、か。
 照れるよ。でも、うれしい。
 あいとか、あいするとか、私には遠いことだって思ってた。
 でも、今はそうじゃないのかもしれないね」

「……私からも、ありがとう。
 私は、本当に何もしてないのに。いいのかな?
 何もできなかったのは私だよ。でも私には、自分自身を終わらせたりせずに、最後まで歩き続ける義務がある。
 ――私も、一枚だけ分けてもらったの。
 クッキーと、ぬいぐるみと、愛。
 それだけあれば、きっと死ぬまでは歩き続けられるよ」

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