映画感想:辻田晃行短篇作品集

 21分、22分、16分のショートフィルム3本を収めたDVDを観ました。
 何とかの映画祭を取った芸術的どうこうと言うと見るからに興味を引かなさげですが、
 恐ろしい事にそのどうこうは監督サイトにて無料配布されています。
 以下の箇条書きは3本全てにおける個人的な要点をかいつまんだ所見です。


・セリフの数は十指に満ちません。
・物理的に邦画とは思えません。
・思ったよりは長いです。
・感動できるものならしてみやがれ。


 軽いネタバレを含んだ個々の物語の感想は『続きを読む』内にて。


『マスターピース』
 鑑賞はじめての作品。あまりの分かりやすさに驚きました。
 いらない映像はどんどんカット、伏線はしつこいくらい映す。多分照明の色分けにも意味はあったのだと思いますが、そこまでは理解が及びません。
 そしてカゴまで用意している男の細かさにニヤニヤ笑い。
 あの子が入れてあげれば良かったのにねえ。
 
『ある記憶』
Q:結局あの女は何だったんですか。
A:嫌がらせが死ぬほど好きな性悪女です。
 
 上記作の次にこれを見てあまりの分かりにくさに唸りましたというか、もしかして何ひとつ分からなくてもOKなのか!?
 映してるものは限りなくホラーに近いがやっぱりホラーじゃないというか、これでホラーにするならいっそあの夫婦を末永く幸せにしておこうかというか。
 漠然とした事しか語れません。
 レコードが空回りしている所が好きです。
 
『蜘蛛の巣』
Q:結局あの男は何だったんですか。
A:案外みんなあのホテルが好きだったんじゃないんでしょうか。
 
 全ての解釈を好き嫌いで済ませようとしている自分の知能に絶望を覚えつつ、一番短い作品の事を。
 起こっている事は相当異常なのに、何故かこの作品が一番普通な気がします。
 作中で主人公が怪我をしたり死にかけたりしているからかもしれません(だからハリウッドみたいだとか思ったのなら、それこそ自分の知能に絶望すべきかもしれませんが)。
 ついでに批評的な感想も。
 この映画の中では作中のある一点に物語の全てが収束する素晴らしさに対し、作中のある一面から物語の全てが広がる妙味を覚えました。
 あれは本当にただの腹痛だったのか! とか、あれはただの現実だったのか、とか。しかも3回もとか。
 そして「ありがたい…」のセリフで感涙してみたところで、それを裏切ってずーるずるずる。
 それほど綺麗でない箇所を見繕ってエンドロールに切り替える手法は、3本共通の特徴かもしれません。

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